天使のくれた時間2021年02月26日 22:41

2000年アメリカ映画
原題は「The Family man」
最近観たAmazon Prime動画の中から大変感動した映画。
ニューヨークのウォール街で成功し、優雅な独身生活を送っているジャックが、ひょんなことから13年前に分かれた恋人と、別れずにいたらどうなっていたかという、もう一つの人生を経験する話。ストーリー性は特にどうということもないが主人公の相手役女優のティア・レオーニ(Tea Leoni)の優しい可憐な美しさにはすっかり魅せられてしまった。彼女を見ているだけで飽きない。現在53才というからこの映画に出演した時は29才で最も華やかな年齢。この映画でサターン賞主演女優賞を獲得する。
Tea Leoniの代表作にはほかにスティーブン・スピルバーグの「Deep Impact」がある。これも大変感動したドラマ。名優モーガン・フリーマン(Morgan Freeman)が共演している。

THE KING'S SPEECH2011年05月13日 16:52

Irresistibly Entertaining !
心を豊かにしてくれる素晴らしい映画だった。
アカデミー賞受賞に十分値するものである。
私はこの映画をDVDで鑑賞し感激の余り何度も何度も繰り返し見た。
最初は映画館に行くつもりだったが、英語の勉強にはDVDを購入して何回も見た方が良いと思い、直接アメリカAmazon.comから取り寄せた。
最初DVDの規格にRejon1とRegion2の違いがあることがわからず、パソコンはオールラウンドだと思って注文したのが知識不足「Regionがちがいます。許可されていません」と画面表示された時は焦ってAmazon.comにクレームをいれたほどだ。先方はさぞ無知なお客さんだと困ったことだろう。しかしそこはさすがアメリカアマゾンだ。丁寧に応対してくれて、払い戻しを早々にしてくれたのには感心した。このメールでのやりとりだけでも、おおいに英語の勉強になった次第である。
これの解決策はネットでたくさんのプログラムソフトが紹介されているので参考にして下さい。

ちょっと脱線したが、物語にただただ感動の連続。音楽も素晴らしかった。
如何に心打たれたか印象深くしたか、それぞれの章を余すことなく紹介したいのだが、2点に絞ってみる。
一つはYork公(後のGorgeⅥ世)がレコードにながれる自分の声の記録を聞いて驚き、そして隣の部屋で何気なく聞いていた妻のElizabethも激しい衝撃を受ける場面だ。なんとよどみない言葉の連続だろうか。涙が止まらなかった。
2点目は放送室でドイツとの戦いに余儀なくされ国民へ激励のメッセージを送る場面だ。最初のうちはLionelがGorgeⅥ世に向かってなんとか気を落ち着かせようと、まるでオーケストラを指揮するよう優しく手を波のように動かす。そして言葉が詰まり欠けると激しく手を振り、あるいは拳をのど元で強く握りしめて彼を励ます。
演説は進んでいく。
台本は次のように表現している。
His cadence is slow and measured, not flawless, but he does not stop .
そして演説はクライマックスにはいる。
今まで全身全霊で彼の前で応援していたLionelは動かなくなる。
頭をたれ、GorgeⅥ世の演説に聴き入るのだった。それは彼のスピーチのあまりの見事さに圧倒され、その崇高さに魂を揺さぶられたからだった。

大いなる遺産(チャールズ・ディケンズ)2010年05月21日 15:52

イギリスの文豪「チャールズ・ディケンズ」について話したいと思います。
私はこの大作家の名前を初めて知ったのは、40年以上前浪人生活を
送っていた時、予備校の英語の先生が教材にこの作家の作品を使って講義してくれた時だったと思います。
小説の名前は憶えていません。それから幾年月、この作家の作品に再び出会うのは昨年暮れのことでした。
ひょっとしたきっかけでSkypeを利用するようになり、アメリカの友人の一人が彼の作品を紹介してくれたのです。
そのきっかけはメールをやりとりしていた時、最後の結びの言葉に
「God bless you , one and all」 と書かれていて、これは何なのかと彼に質問したことが事の始まりでした。
彼は出所を丁寧に教えてくれました。
知っておられる方も多いと思いますが、これはディケンズの「クリスマスキャロル」最後の言葉です。
(原書では:God bless us everyoneとなっています)
彼は敬虔なキリスト信者でしたからメールでの結びにピッタリの言葉を使った訳です。
さあそれからです私のディケンズに対する興味が深まったのは。
いままで「クリスマスキャロル」という名前は聞いたことはありますが、
その内容については恥ずかしながら全然知りませんでした。
まずカナダにいる日系2世の方にどういう本なのかと尋ねると、英語圏の人なら誰でも知っており、子供の時には必ず読んでいるし、代々語り継がれている名作だと教えられました。
そしてこの話を、イギリスに住んでいる友人(彼は現在都会の雑踏を
離れてケンブリッジ州にあるピーターバラに奥さんと二人ですんでいる)に話したところ、このDVDを贈ってくれたのです。
話している英語はほとんど理解できませんでしたが、映画の場面から人々の感情がひしひしと伝わってきました。
主演はアカデミー受賞者のGeorge C.Scottでイギリスでは超有名だそうです。
どの出演者も卓越した演技力で本当にすばらしい作品でした。ますますディケンズのファンになったことはいうまでもありません。
そしてこの友人は同じくディケンズの「オリバー・ツイスト」を読むようにとすすめてくれました。
原文で読もうと思いましたが、長編なだけに自分の英語力では無理だとおもい翻訳版にしました。
この作品も大いに感動させてくれました。その感想を上手に述べることは私の国語力では無理なのでやめておきます。
私のディケンズ文学に対する愛着心はますます深くなりました。
そして「大いなる遺産」「二都物語」「デビッド・コパーフィールド」へと続いたのです。
「二都物語」は非常に重苦しい小説です。
フランス革命が背景にありますから、読み進むうちに何度も心が押しつぶされそうになりました。悲しい物語ですから、心優しい人にはあまり勧められません。ただ何人かの友人たちはさすがにこの作品を高く評価しています。中にはディケンズの最高傑作だという人もいますし、事実そのような評価も厳然としてあるのです。
「デビッド・コパーフィールド」はディケンズの自伝小説といえます。
実におもしろい小説で日本にも優れた作家が多くいますが、このような物語の構成、展開を凌駕する作家は見あたりません。
そして最後に、この表題になっております「大いなる遺産」ですが、この作品こそがディケンズ文学の最高峰だと思っております。人間愛、絆、優しさ、ロマン、哲学を語った崇高きわまりない一大長編小説です。
まさに作家ディケンズがシェークスピアと並び称される文豪といわれる所以がここにもみてとれます。
訳者はあとがきでこう述べております。
『最後の章に入り、溢れる涙を止めることができなかった。この作品を訳すことになった光栄をなんと感謝してよいやら・・・・・』と。
私は現在の英語力ではまだまだ無理ですが、いつか必ず原文で読もうと決意した次第です。